じゆうのきりうり

「フリーにはたらく」

働くってことがテーマで、自由さをどこに感じるのかということ。もっと今の職場で自由にやるためにはどうすればよいのか。しかもフリーランスな話が絡んでくる。お題がカオスというかなんというか。

テレビやメディアで報道されているようなフリーランスが職場にはいないし、なかなかそういう人材が存在できない環境ではあるんだけど、まず派遣・バイトの人たちっていうのが、そういったフリーランス的な。職場に関して制約や管理を受けない人たちなのかなと思う。

彼らは縛られない代わりに、即戦力として求められている。

仮に中途採用で今加入したAと同日に派遣として加入したBがいる。

どちらを大切にするだろうか。派遣も数年同じ職場にいれば社員になるルールが整備されたが、現状、やはり正社員として入ってきた人間や、正社員になることも視野に入れた人たちが大事にされる。

それは同じ時間を責任を持って戦う人員であること、悪く言えば同じだけ時間を職場で消費すること、会社に時間をくれてやるメンバーだからに他ならない。『同じ釜の飯を食う』とはよく言ったものだ。毒が入っていればもれなく一緒に被害にあう。

つまりフリーに働くといっても、基本的に働くということは、自分の大切な人生を切り売りして報酬を受けることが根っこにある。

いやいや。生きていくためには仕事で報酬を受ける必要があるだろうと…思われる方もいるだろうが、その職場を選んで働いてやっているのだ。そのうえで人生をお宅(勤め先)で消費させてやっている。

そういったギブ&テイクの環境で、当然フリーランスや仕事時間に縛られない、パートやアルバイト、派遣が職場の中で混在している。

どこに責任が集約するかというと、やはり正社員で、ほかのポジションの人たちっていうのは、重責を与えられない人たちになる。時間的制約や職場に縛られない代わりに、一種フリーな代わりに責任は与えられず、まぁ……給料に反映される。

風のように現れて、こちらが求めている以上の能力を持っていて、職場の救世主と化す。どこの馬とも知れない人が突然やってのける。そして上層部は素早く判断し、好待遇で正社に格上げをする。まるで明智光秀と信長のように。

……でもフリーランスだから、基本的に外注のように組み込まれないことを由とするんだよね。

勤め先が今社員不足で困っているけど、そういうところで好待遇であっても、正社員にはなってくれない。うーん。自由に時間を大切にしているのだろうけど、そうであるなら…フリーに生きる素晴らしさはあるにしても……いらないかな。

そして、職場で自由に働くっていう話。こっちは人手不足で自由に動くというのは、当たり前になってくる。というか、人手不足だから、ポジションに縛られた動きしかできないのは困る。

うちのチームのボスは数年前より、サッカーでいうところのポリバレントな社員育成を理想としている。なんでもできる連中をそろえて人員不足を乗り越えようとしている。今では何でも出来る人も増えて、職場のカバーリング力という意味ではかなり強化された。しかし数年たっても人員不足が続いている。

結果的瓦解があるのではないかと思っている。現状そこに上記のフリーな人材たちでサポートしていただいている。

結果的に簡単な仕事や日常行う作業を、フリーに取られてしまい、難しい仕事を専門に正社員が受け持っている。これは果たして解決したというのだろうか。手は空いたかもしれない。プレッシャーは増えた。

最初に書いたとおり、自分は生きるために働いているだけで、職場に重きは置いていない。別にどこでもいい。生きてゆける分と趣味ができる金があれば良い訳で発想こそフリーランスというか、地に足がついてないという感じだけど、ずっとここに居続けたことで、職場に関しての視野が広くなる。求めることや出来ないだろうなと思えることの違いも分かってくる。勤め続けた成果だろうか。

果たして、こんな、ある意味での勤めすぎたシガラミをぶっ壊して、会社の課題を解決する力がすべてのフリーランス(この場合は派遣やバイトじゃないやつね)が持ち合わせているのだろうか。世間的に期待され、かっこよく響くフリーランスとして、どこででもやれてしまうのだろか。

一般的に人材不足が求められているご時世で、一方でフリーな働きを(労働者サイドは)求められている。ただ、短期間でいなくなるっていう前置きの人間は、そこに縛られている人間にとっては、よほど有益をもたらす存在でない限りは、信頼には値しない。信用できる程度。つまり損切の対象でしかない。

むしろ社会的にフリーランスがあってもいいと声高に話されるということは、もうむしろフリーランスが時代遅れになりかかっており、もっと良い在り方が水面下で動いている気がする。

自分で書いていて嫌になるほど暗い話。それが労働。

つまりっていうか働くっていうことは、少しづつできることを増やして、職場の空気を作れる存在になっていって、少しづつ誰かの話を聞けるようになっていくこと……だと思うよ。そして劇的な何かを期待しない。自分一人では劇的なことはできないんだから。そして日々穏やかに過ごすことを狙う。

そうなるためにフリーランスが必要になり、成果を出すのなら、きっと社会に、職場にフリーランスが必要なんだろう。自由な立ち位置で自由な思考で職場を改善できる強い権限を持つ人がどこの位いるのか。

今は必要ないというか、そこまでの方は必要にされる数は居ないと思う。