かのうせいはあるのか 

今週のお題「わたしの自由研究」

そんな立派なことしてないよ…。

研究というほどではないけど、ある日、大ベテランの女性の先輩が

『女の化粧は男たちや客のためにしてるんじゃあない。同じ女性の中でマウントを取るために化粧をしているんだ』

と、おっしゃられる。

もうそれ以降、気が気じゃなかった。がっつりというほどではないけど、女性の皆様は化粧してくる。ナチュラルメイクというのか。その工夫は全くナチュラルではないという白鳥イズムに浸ったあれ。

よく見ると女性の化粧というも、マウントだけではなく個性を発揮して来る。若い子は本当にしたのかどうかわからないレベルで来るし、おばちゃんになってくると、眉毛の書き方と本当に生えている眉に矛盾を感じるデッサンを刻む。

バンバンに化粧や香水のにおいをアピールする人もいるし、出来るだけ控える人もいる。会社のルールではナチュラルメイクにとどめるとのこと。実質バーリトゥード、そう見えればいいわけで、実質ルール無用のガンダムファイトが常に起きている。

子供のころは大人へのあこがれがあって、大人のたしなみとして女の人は化粧をしているんだろうなって思ってた。テレビで特集されているメイク方法をしてくる子たちもいた。化粧の方向性でその人の品格であったり、キャラクターも出るわけで、大事な作業なんだろうなぁと。

ただ高校生ぐらいになってひげが生え始めると、髭剃りですらメンドクサイ。もみあげをそろえるだけでハード。毎日よくやるよって良く思うようになる。

『男は化粧しなくていいから楽だよね』ってよく言われる。でもひげ沿ってるし、まったく何も調整していないわけではない。以前勤めていた会社は毎月散髪に行くように、身だしなみの支援金を出していた。そういうところはひげにも厳しい。

ただ女性の工夫と積み重ねには驚く。髭剃りなんて電動使えば年間コストもたかが知れているが、女性はその何倍も支払っている。自分の立場のためかもしれないし、よく思われたいためかもしれない。仕事に何かいい反映を見せるためかもしれない。なんだかその努力に感謝しないといけないなって気分になる。

髭剃りみたいな気遣いのレベルは越えている。

朝起きて、仕事に出るまでの間に何がしたいだろう。身だしなみ、トイレ、朝飯……いい仕事と言わなくても、グッドパフォーマンスを刻むために用意を怠らない。そしてそこに化粧の時間がある。まさに戦化粧……なのか?

仮に上記の発言が事実として、大ベテランから若手まで、すべての女性社員たちがマウントを取り合っていたとする。まさに令和の下克上と言える状態だとする。その中でどんどん勝ち上がる人が入れ食わる。女受け、男受けの差もあるだろう。勝利の果てに何があるのだろうか。

淘汰を繰り返す中で、弊社の中で利益につながるのだろうか。外注の人たちにきれいな子が多いと思われるぐらいじゃないのか。それでも辞めることが出来ないのだろう。すっぴんでもいいじゃないと言いたいけど、この戦国の果てに、いやそもそも、なぜこの戦が始まってしまったのか。

『ひげぐらい剃れ!』髭剃りを忘れた日に指導されたことがある。女性職員が遅刻寸前出勤し『化粧ぐらいしろよ!』とは言われない。つまり強制されていない。それでも化粧する。

自分を際立たせ、きっと朝飯と同じように自分にエンジンをかける儀式なのだろう。ショッカーが現れるとき、ライダーが変身ポーズをとるように、彼女たちも変身しているのかもしれない。