気持ちよさがなければすべて義務 

いいかた
あの頃の…というと悪い印象を持ってしまうかもしれないけれど、ヨーヨーリクリエーションの新作5iveはとても面白い。制作秘話的な物は、パノラマでおなじみタカツさんのチャンネルやリクリのノートをぜひ見てほしい。


まぁそんな難しく考えず。引き戻しでめちゃくちゃ回るコンセプトではなく、幅もとっても狭いからトリックの成功率は下がる。
修行用とも言えるし、ゴリゴリに趣味ヨーヨーと言えるユーザーと、ルーキーや興味を持つかどうかの人たちをつなぐ架け橋になるかもしれない魁作。何より投げてキャッチする。このヨーヨーたる、そのゆえんたる動作がとても気持ちが良い。ずっとスローしてキャッチしていたくなる。そしてこのブラスト加工的なサラサラ感もいい。気持ちの良さに拍車をかける。


現代のストリングトリックで遊ぶにはかなり難しいつくりになっている。ローラーコースターが限度らしい。確かに出来ない。回るし、戻りもいい感じなんだけど、左右に振るとあっという間に回転が死ぬ。まずは97ハイパーヨーヨーのトリックリストの再履修という感じになる。それでも複雑だったり、マジックのようなある程度のスリープと手際の良さが必要な物はヤバイ。


ただ戻りの良さと回転の出しやすさがあるから、ルーピング系トリックがとにかく気持ちがいい。初期トリックだとブレイクアウェイやフォワードパス。アラウンドザワールド。二つ買うとダブルループなんかもノーマルのストリングで十分対応可能。UFOなどよりをいじるトリックもきっちりこなす。この感触の良さであと少しだけ戻りが強化できたら、2A寄り製品版行けまっせ。まぁルーピングヨーヨーでパッドがレスポンスなんてループ360…古い。あとパラノイアだっけ?3Dプリンタのルーピング機種。まぁ出ないってことは消耗速度や出ないだけの理由があるんだろう。


ストリングトリックはかなり現代技術に支えられている。開封直後にトラピーズ。かからない。衝撃。どうすればよいのか。ストリングの長さ、フリーハンドの指の配置、ヒモのどの辺りで折り返すべきなのか……なんとなくで済んでいた部分の洗い直し。トラピーズとは何なのか。どうするべきなのか。自身の中で再言語化する。

この遊びともいえない反芻がやめられない。動画の真似をしてトリックを習得したとする。それはそれなんだけど、これはこれとしてどんなヨーヨーでも対応できるトラピーズの理想形をイメージする。ああ、次はダブルオアナッシングだ。


紐の長さは個人差があるけど、ルーピングもこなすことが前提だから、ノーマルでストリングトリック用の長さから人差し指分短くするのがフェイバリット。親指分差し引いて遊んでいたんだけど、ルーピング気持ち良すぎでもう少し短くセッティングした次第。短くし過ぎると回転性能下げそうなんだよなぁ。97の俺は何を考えて同セッティングしていたっけか。

シンプルながら、これまで遊んできたユーザーにも新しい面白さと気持ちよさを提供してくれる5ive。みんなと同じことをする。ハイパーヨーヨー的でいいじゃないか。当時は動画なんてものもVHSとおはスタしかなくて、見れない環境の人たちはコロコロや書籍のいまいち把握できない人型のイラストでイメージしていた。ブレインツイスターを解読した奴はは本当に神様だった。一方俺はマジックのあやとり部を解読していた。

誰かがマスターすればそれを皆で共有した。その中で当時のダンカンヨーヨーたちで熟そうとする剛の者もいた。楽しかった。ブームとして満喫したことを思い出す。
ノスタルジーにこのシームレスな感触の良さ。そして新しい遊び方の提案。小さなボディに結構背負わされている。そんなに高くないし、97のブームを知っている人にはぜひ触ってほしい。実家の押し入れに当時のヨーヨーが眠っていればさらによし。ついでに最新鋭を触って完成形とする。