我慢のしどころ

誰のだよって話。

お題「これ買いました」

数年前の福袋より ダンカン ロードランナー

自分のいいと思ったものがシリーズ化しないというか、一瞬でなくなるってことは、人生でままあることだと思う。自分の好きなバンドが大成しない。ひどい時は贔屓にし始めたら解散した。

ゲームで良いと思ったシステムが次回作まで引き継がれない。10年以上寝かせてユーチューバーに叩かれる。メーカーたちはそれを忘れて、いや存在しなかったかのように新しい可能性を模索している。あんまりじゃないか。

そんな気分になるロードランナー。可能性を秘めていた。

上記にもある通り、最近購入したものではないが、開封したのが最近だったっていうね。見た感じ可能性が詰め込まれたわがままな一品に感じる。

まずはサイズ感。クラウンより直径は一回り行かないぐらいのサイズ感。TP2よりは大きい。このサイズ性。確実に需要性を秘めていると思うんだけど、誰も続かないアングラ感がある。そしてブラスト加工。C3よりも少なめでちょうど良い感じ。

そして形状。何よりもその異形を引き立てる16本のミゾ。このテクノロジーは現在に生かされてはいない。失った技術というべきか、捨てられたものになるのか。ただこれを除くと、よくありがちなバンプをしっかりとった、使いやすいサイズ感のヨーヨーに過ぎない。

それに4000円払うほうが美味しいなんてことは言わないで。

まず遊んでみての感想なんだけど、遊びやすいけどスリープの伸びが厳しい。伸びないっていうよりも目の前で減衰している。珍しいものを見させられている。

じゃあ何のせいでこんな減衰をお見舞いされているのかというと、まずは低価格モデルだから。完成されたものを低価格でお出しするわけないじゃんと。そしてやっぱりこの溝なんだろうなってことはすぐわかる。

いやね。まじで最初この溝何のために存在しているのか解らなかった。確実に遊んでいるときに、ストリングが溝にヒットからのロスって誰にだって想像できるじゃん。

小柄ながら重さをしっかりとスタンダードなところに持ってきているから、それでカバーしたいんだろう。それでしっかりとした投げ出しやすさを感じる。あれ。でもそれだけかって言うところ。

そう。この溝はキャッチや投げ出しの際のグリップ強化になっている。メリット1に対して失ったものはどれくらいあるだろうか。さすがに初心者にお勧めできる商品ではない。それでもなお補って余りある子のグリップ感。昨今の低価格帯なのに『しっかり』遊べるっていうのとは違う。低価格帯ならではの『あそび心』がこれにはある。

当時からはやり始めていたワイド化を行い。両サイドに盛り上がりをつけ、ヨーヨーとしての品質を高め、そこにスリッドを入れる。打っていて自分自身で『どうしてこうなった…』と思っているのだけど、このスリッド、溝技術。現在に生かされることはない。

振ってみれば楽しさと興味深さがあり。たくさん揃えたいコレクターとしては一つは持っていたいモデル。そして多分理解者が少なかったんだと思う、このスリッドシステム。いいと思うんだけどなぁ。ファンヨーとしても復活する感じがない。

大いなる可能性があるんだと感じている。ただいいものを作れば売れるっていうわけではないし、そのフォロワーが俺しかいないんじゃッていう感じ。

でもかっこいいよね!素材変えて作り直してほしい。ダンカンらしいヨーヨー。