捉われないための仕様 

重さをめぐるヨーヨーvol2 

99% スペシャル・プロポーズ・イクイップメント2 以下SPE2

ルックスはそれこそ外にもうちにも張り出している印象が強いが、持ってみるとスリムになったクラウンST2021のそれ。直径もほぼ一緒でややSPE2の方が重たいかなぁといった程度の差。

以前に重さの沼に俺を連れ込んだベティノヴァ同様、現代的なモデルの中ではやや細身。本当にはがき数枚の差だけど、持ってみたり、並べてみるとかなりスマート。バイメタルはあまり所有していないんだけど、持っている中では、ヨーヨーファクトリーのブーストがこれよりスマート。

細見、たっぷりリム。かなり丸みを感じるステップラウンド。ある意味流行と安全性というか、凶器感を与えない好印象を備える。

デザイナーの方が、ダンカンのヘイメイカーXのデザインなどもされていた方で、並べるとそっくりだ。もちろん反り返るようなヘイメイカーとラウンド形状を意識したSPE2では違いがあるが、フェイス側の設計はかなり寄せてきている。リムのデザインも、まるでこれこそが正解だと言わんばかりのデザイン。

遊んでみると、本当に微妙な程度でクラウンstより重たいかなっていう程度で、あとはおおむねよく滑るし、何より操作性が高い。じわじわ幅広になりつつあるヨーヨー業界の中で、逆相気味の機種ではあるんだけど、幅広リムでしっかりスタビライザーさせている。

その一番ピリッと感じる部分は、いつもと違う形で手癖コンボを行う時、違う形でトリックを完成させるときの安定感というか、掛りの良さ。幅広ってなぜそれを求めるかと言えば、上級者以外の人間はトリックの成功率の底上げもあると思う。

そこで多少なりと細身を使うのに、いつもと違う構成なのに、しっかりとプレーできるこの感触と、当然重さからのすべりの良さは、あんまり買っていないけど、今年のベストチャイナヨーを予感させる。

ただ、これを評価していると、それの幅広であったり、メーカーから文句が出そうだけど、一種亜種のような存在のクラウンstも再評価しないといけないなぁと思ったり。

SPE2の方がスイスイ動く。でもクラウンstのマイルドさと、両者に共通する、非常に高いまとまりの良さ。お高いモノメタルを買ったようなバイメタル感の低さ。そういうものが求められているというか、主流になるのかなぁと思ってしまった。

SPE2は重さを求めていたんだけど、クラウンstはクラウンの派生であり、これまでのようなストレートのシャープさやスピード感を失ったことで、以前も記録したけど、ちょっと物足りなさを感じていた。万人のモノメタル、シャープな追求性のバイメタルと思っていたんだけど、なるほどなぁ。他社も同様のアプローチと指向を持っているとしたら、商品としての完成度を見誤っていたのかもしれない。

いいヨーヨーで、クラウンからの変更も効きやすいとは思っていたけど。

うーん。すごいなぁ。

と何となく、自分で納得したこともあったんだけど、細見に分厚いリムを巻き付けたSPE2の方がかなり安定性が高い。簡単なトリックだと…グリーントライアングルかな。

あれって色々な形で作ることが出来るけど、かなり思った通りに動く。グリーントライアングル前の動きにこれで余裕が出来る。当然そのあとも。出来るトリックの数が変わらなくてもアプローチ数が変わる。

個人的にはSPE2の方がコスパ的にも、動かしやすさ敵にも好きだけど、いや重さとかじゃなく、何となく目が覚めるような、ほかのヨーヨーの出来を再検証してしまうレベルに遊べたり、してしまう名作だと思う。買ってよかった。

じゃあ次はもっと重さにこだわらないといけないよね。重さの深層に。